これから真珠を選ぶ方への予備知識
ネットで真珠を検索するとオーロラ**、○○花珠、真多麻、ロイヤル△△、スーパーXXなど、いろんな名称、肩書きの真珠が出てきます。
調べていくうちに「立派な肩書きが付いている真珠=良い真珠」のような気がしてきますが、今現在検索して出てくる名称や肩書きのほとんどが、どこかしらの民間企業が独自に基準を設けて名づけた物で、真珠業界内で統一された基準に基づくものではありません。
真珠は貝によって作り出されるという他の宝石とは異なる素性のため、明確な品質基準を設けることが難しく、これまで真珠業界内で統一された基準がないまま来ています。
そのような状況の中、メーカーや鑑別書の発行を専門に行っている会社が独自の品質基準を設け、それぞれのグレードに名称や肩書きを付けています。
中には「花珠」のように複数の鑑別書発行会社が異なる基準のもとに同じ名称を使用しているケースもあります。
ランク付けの指針を示すという意味ではいずれの名称、肩書きも有用ですが、一方でネットが普及している現在、それらの名称、肩書きが先走っている印象を受けます。
とりわけネット上ではとにかく「消費者が求める肩書きの中で一番安い物」を提供しようという意図が強く感じられます。
いずれの名称、肩書きも品質をピンポイントで示すものではなく、「その範囲内である」という基準のため、同じ名称や肩書きでも品質には上下が生じます。当然価格的には(品質が)上の物は高く、下の物は安いです。
すると上記のようなネット上の価格競争においては、範囲内のボトム(底)品質を狙った商品が多く出回ります。実際には価格が高い商品とは品質が違っていても名称、肩書きが同じなのでその差が見えて来にくいのです。その結果、消費者に同じ肩書きの(すばらしい)物が特別に安いかのような錯覚を与えています。
今、真珠業界内ではこうした「業界内で統一した了解のない名称」を排除していこうという動きが出始めています。
この先、この動きはより活発化してくると思われます。同時に鑑別書を発行している企業はより鑑別の基準を細分化してくるでしょう。(また新たな名称や肩書きが増える懸念があります。)
現時点でどういった形に落ち着くとは言えないのが正直なところですが、一社の独自基準が業界スタンダードになるとは考えにくいです。
一番大切なことは「最終的に消費者と向き合っている販売者が真珠をきちんと評価できるかどうか」に尽きます。
鑑別書が付いているから、こういう肩書きがついているから良いものですという勧め方ならプロでなくてもできます。実際に、専門店以外のところは鑑別書や肩書きを前面に押し出して勧めています。
しかし本来は販売者自身が真珠を評価し、どういう理由でこのようなグレードであり、価格なのです、ということをきちんと説明できなければなりません。その上での鑑別書であり、肩書きです。
鑑別書や肩書きがついている真珠を追い求めている消費者が多いことは事実です。ですからヨコタパールでも鑑別書つきの商品をお取り扱いしています。しかし、必ず自社で品質を吟味し、評価した上での鑑別書取得というスタンスを貫いています。
範囲内のボトムを狙ったような商品は決してお取り扱いしていませんので、価格だけの比較ではずいぶん高いと思われるかもしれませんが、それは先ほどご説明した錯覚以外の何物でもありません。
真珠の品質を反映した価格として必ずご満足いただける価格設定をしています。
真珠というのは品質が高い物ほど数が少なく希少です。だからこそその希少性に応じた価格が付きます。その逆は言うまでもありません。数が多く、さほど希少でない物はそれなりの価格にしかなりません。いくらネットが普及してもこの構図は絶対に崩れません。
今あらためて、肩書きや最安値に踊らされない正統派の真珠選びを見直し、そのお手伝いをできればと切に願っています。