養殖真珠の歴史
真珠は4000年もの昔から海の宝玉として尊ばれてきました。その美しさを称えた歌が古事記や万葉集に残されているばかりではなく、正倉院御物や三月堂の仏像には、当時の真珠が今もなお美しい輝きを失うことなく保存されています。
昔の真珠というのは貝から採り出される天然真珠ばかりでしたが、今から約100年前に日本の先覚者たちが養殖に成功し、年々技術の向上をはかると共に、天然のものに勝るとも劣らない真珠を大量に採取できるようになりました。
代表的な真珠の母貝であるあこや貝は主に日本近海で採れるので、四面を海に囲まれた日本は、いろんな意味から真珠養殖の為の自然条件に恵まれていると言えます。
真珠の生い立ちは、あこや貝が生まれてから3~4年たち、真珠の芯となる核珠をその貝に施術して海中に沈めるときから始まります。けれども貝も生き物ですから、この間に死んでしまうものもあり、核珠を吐き出してしまうものもあります。それから1~3年後に初めて珠を取り出すことができるのですが、皆様のお手元に届くのは、その中から更に専門的に細かく選りすぐって加工された真珠だけです。