鑑別書では分からないこと
真珠には鑑別できない項目もある
鑑別書といえばまずダイアモンドの鑑別書を思い浮かべますので、真珠の鑑別書も同等の完璧性をイメージしてしまいますが、真珠の鑑別書はダイアモンドの鑑別書とは少し違います。
貝が美しい真珠を作り出すプロセスは現在も解明されていないことが多く、現代の技術をもってしても判別できないことが多々あるからです。
鑑別機関による科学的鑑別や宝石鑑定士にも判別できないことの例を挙げると
1.真珠の産地
伊勢の真珠か九州の真珠か、ということは鑑別では分かりません。
更には、日本産の真珠か中国その他海外産の真珠かどうか、鑑別では分かりません。
つまり、鑑別書が付いている=日本産ということでもありません。
2.着色かナチュラルか
着色の有無はだいたいは判別できるのですが、着色技術も日進月歩です。検査で着色と判別されない染色技術もあるようです。
3.真珠の種類
今現在、非破壊で100%真珠の種類を見分けることはできません。
特に10㎜前後の真珠の判別は難しいです。あこや真珠なのか、南洋真珠なのか、黒蝶真珠なのか。(黒蝶真珠にもシルバー系の色味の真珠が稀に存在します)
まとめ
真珠には販売者の良心に頼らざるを得ない部分が多いです。それもあり、もともとは真珠には鑑別書はなく、販売者の信用(各お店が発行する保証書)で成り立っていました。
鑑別書が存在する現在でもそれは同じだと言えます。
『鑑別書が付いているから良いものですよ』ということではなく、なぜ良いのか、なぜ高い(安い)のか、きちんと説明できるお店を探すことが大切です。
昔から『真珠選びはお店選びから』と言われる理由です。