花珠(はなだま)について
花珠の本来の意味
【註:以下の文章で特別限定せずに『真珠』という言葉を使った場合は『あこや真珠』のことです。】
花珠という用語は、は古くから真珠業界の中で使われてきた言葉です。
浜揚げ(養殖を終えて貝から取り出すこと)された真珠のうちの最高ランクが花珠です。
具体的には真円(まん丸)・無傷・厚い真珠層の巻き・強い照り・そして程良い赤味を兼ね備えた真珠です。そこに明確な基準はありませんが、一言で言うならば完璧な真珠のことです。
出現率は年度や場所にもよりますが3%前後でしょう。
バケツいっぱいの真珠の中から美しさが突出している1珠を選び出すイメージです。
この場合の花珠とは、穴も開けられていない、貝から採り出したままの状態、つまり無加工・未加工の真珠に対してのみ使われる呼び名です。
穴が開けられた時点でそれは花珠ではなくなってしまいます。
ですから本来の意味では「花珠のネックレス」というのは存在しません。
(ネックレスに使われている真珠は穴が開けられていますし、漂白その他の加工を経ているため)
花珠鑑別書について