正直な真珠店でありたい
ヨコタパールがはじめてホームページを開設した当時、真珠専門店のホームページは片手で数えられるほどしかありませんでした。
(検証していないので明言できないものの、おそらく2店しかなかったうちの1店でした)
それから十数年の月日が経過し、今や検索すれば何百という真珠販売店が出てくるようになりました。
その間、デフレの進行などの諸条件と相まって、真珠も他の多くの商品同様、徐々に価格競争の渦に巻き込まれていきました。
大手のネットショッピングモールで真珠を検索すると画面いっぱいにずらっと
「花珠」を冠した商品が並んでいます。
私自身もそうですが、誰しも良い物をできるだけ安く買いたいのは当然です。
お売りする側の立場としては、削れる経費はできるだけ削り、なるべく安く仕入れる工夫をし、できる限り販売価格を抑える努力をしなければなりません。
しかし、「良い物を安く欲しい」という消費者の心理を利用するようなことは、決して人としてしてはならないと思うのです。
私が言うのも何ですが、真珠はそれをしやすい商品の1つだと言えます。
国際的に統一された品質基準がなかったり、いまだ科学的に鑑別できない項目があったりするため、『高品質』や『希少』などの言葉を使うのは自由、いわば言ったもの勝ちという面が否めません。
養殖業者さんが時間と手間とコストをかけて、それに加えて愛情を注いでやっとのことで出来上がる真珠。その中でも本当の意味で高品質な物はほんの一握りです。
そんな一握りの真珠は他の宝石とも十分に競争力があり、決して価格競争に巻き込まれるようなこともなければ、検索結果にずらっと出てくることもありません。
『希少』な真珠は、稀(まれ)で少ないのです。
比べる対象が画面にずらっと並ぶようなことは決してありません。
言葉だけならまだしも、いかにも希少なものが安くなっているかのような演出をするために、中国産やベトナム産の真珠を日本産としてみたり、染色してある真珠をナチュラルと謳ってみたり、南洋真珠をあこや真珠としてみたり、果ては鑑別書と真珠が一致していないなどという事例まで耳にするようになりました。
今現在、鑑別で証明できないことを良いことに、一部にはそのようなことが行われている世界もあるのが現実です。
日本産であることも、染色していないことも、その真珠を買い付けた本人しか知り得ないことです。もっと言えば仕入先の素性をも含めて買い付けてきた人間の
信用だけが頼りです。
ヨコタパールは、価格競争には勝てません。なぜなら、数字だけの最安値を提示することを目標とはしていないからです。
素性の確かな真珠だけを仕入れ、その品質を正直にご説明し、適正な価格で
販売していく真珠店でありたいと考えています。
真珠は清純のシンボル。嘘やごまかしは似合いません。
ヨコタパールという存在が、素性確かな真珠であることの証明であれるよう、日々研鑽(けんさん)を積んでいきたいと思います。